Kimi K3 登場:初のオープン3T級モデル、MuiRouterに対応
Kimi K3 は 2.8T パラメータ、1M token コンテキスト、ネイティブ Vision、max thinking を備えます。MuiRouter の API と Playground から、1 つの API Key で利用できます。
2026 年 7 月 17 日、Kimi は新たなフラッグシップモデル Kimi K3 を発表しました。最大の注目点は、もちろん 2.8 兆パラメータです。Kimi によれば、世界で初めて 3T クラスに到達したオープンモデルとのこと。「力こそパワー」と言うように、パラメータを増やす効果は確かにあります。しかし、単に大きいだけなら、今回ほど業界を騒がせることはなかったでしょう。
昨夜、私のグループにいる凄腕の一人が Kimi K3 を試し、たちまち自発的な宣伝役になりました。本人の言葉をそのまま紹介します。
試してみたけど、めちゃくちゃ強い。 もう ¥199 プランにアップグレードした。1M を使えるのはこれだけ。 これを使った後だと、GPT が馬鹿に見える(フロントエンドに関しては)。
彼につられてグループのメンバーも次々と試し始め、¥199 のプランを契約していきました。今朝ソーシャルメディアを開くと、K3 の話題ですでに埋め尽くされていました。
今回 Kimi は、1M コンテキスト、ネイティブ Vision、長時間のコーディング、ツール呼び出し、ナレッジワークを K3 にまとめています。一方で API の価格設定もかなり攻めており、GPT-5.6 のおよそ 60% です。Kimi が作ろうとしているのは、ユーザーと会話するだけのモデルではありません。「長時間、自力で仕事を完遂できる agent」のためのモデルです。
MuiRouter では、すでに kimi-k3 を利用できます。同じ API Key と /v1/chat/completions をそのまま使い、model 名を変えるだけで試せます。Playground も画像入力に対応し、思考過程と最終回答を分けて表示するほか、キャッシュにヒットした token 数も確認できます。
Kimi K3 とは何か
Kimi K3 の公式発表と API ガイドによると、主な仕様は次のとおりです。
| 項目 | Kimi K3 |
|---|---|
| モデル規模 | 2.8T パラメータ、MoE アーキテクチャ。896 の expert のうち、毎回 16 を有効化 |
| コアアーキテクチャ | Kimi Delta Attention(KDA)+ Attention Residuals(AttnRes) |
| コンテキストウィンドウ | 1,048,576 tokens(1M) |
| マルチモーダル | テキスト、画像、動画をネイティブに理解 |
| 推論モード | リリース時点では thinking effort が常に max |
| 主な用途 | 長時間コーディング、ナレッジワーク、推論、視覚タスク、ツール呼び出し |
| オープン化の予定 | 完全なモデルウェイトを 2026 年 7 月 27 日までに公開予定 |
今回のアーキテクチャ更新では、KDA と AttnRes が重要です。前者は、より効率的な Attention で長いコンテキストを支えます。後者は、ネットワークの深さをまたいで必要な情報を選択的に取り出せるようにします。さらに疎な MoE と組み合わせることで、Kimi は K3 の scaling efficiency が K2 の約 2.5 倍になったと説明しています。
パラメータとアーキテクチャは重要です。しかし開発者にとってより切実なのは、費用対効果が高いのか、そして簡単に買えるのかという点でしょう。今は GLM-5.2 の coding plan でさえ争奪戦です。
特に注目したい 4 つの能力
1. 長時間コーディング
Kimi は、K3 の最初の主戦場を long-horizon coding に定めています。公式の事例は関数を 1 つ生成する程度ではありません。モデルが長時間ターミナルを操作し、大規模なリポジトリを理解し、コードの実行と修正を繰り返します。さらに GPU コンパイラシステムをゼロから実装し、kernel を最適化し、48 時間にわたるチップ設計タスクまで完了しています。
これらは Kimi 自身が公開した事例なので、私たちのプロジェクトでも同じ結果が出るとは限りません。ただ、Kimi K3 が現実の開発ワークフローを重視していることは伝わります。日々の仕事はバブルソートを書くことではなく、複雑なプロセスを組み立て、入り組んだビジネスロジックを実装することだからです。
2. Vision in the loop
K3 は DeepSeek、MiMo、GLM の後を追って、別立ての OCR を追加する方式を選びませんでした。Kimi が強調しているのは vision in the loop です。モデルがコードを書いた後、実際のスクリーンショットを見て、その見た目をもとにさらに調整します。フロントエンド、ゲーム、CAD、データ可視化など、「作る—見る—また直す」が必要なあらゆる作業に役立ちます。昨夜の結果も、この強みをはっきり示していました。フロントエンドの仕事がある人にはおすすめです。
MuiRouter Playground では、PNG、JPEG、WebP、GIF を直接アップロードし、画像とテキストを同じメッセージに含められます。動画のアップロードはまだ提供していません。スクリーンショットの理解、UI 分析、画像とテキストを組み合わせた Q&A をすぐ試すのであれば、現在の画像入力で十分です。
3. 1M コンテキストと Prompt caching
1M コンテキストがあれば、より大きなコードリポジトリ、多数のドキュメント、長い調査資料を一度に読み込めます。さらに重要なのは、Kimi が長いコンテキストと自動キャッシュを一緒に設計していることです。同じ prefix を繰り返し送ってキャッシュにヒットすると、その入力 token は大幅に低い価格で処理されます。
これは coding agent にとって重要です。長いセッションでは、システム指示、リポジトリの背景、メッセージ履歴が何度も送信されます。キャッシュヒット率が十分に高ければ、通常の入力価格がかかるのは新しく追加されたごく一部だけです。Kimi は、公式 API のプログラミング workload でキャッシュヒット率が 90% を超える場合があるとしています。ただし実際の数値は、prompt の構造やセッション管理によって変わります。
4. ツール呼び出しと構造化出力
K3 はカスタム tools、tool_choice、JSON Mode、Structured Output に対応しています。どのツールを呼ぶか決め、引数を生成し、結果を読み、そのまま推論を続ける。これらは現在のモデルに欠かせない agentic な能力です。
特に注意したいのは、K3 が完全な thinking history に依存する点です。複雑な複数ターンのツール呼び出しでは、agent harness が前のターンの reasoning_content をそのまま送り返す必要があります。セッションの途中で別のモデルから K3 に切り替えると、挙動が不安定になる場合もあります。単純なチャットなら気にする必要はありませんが、長時間動く agent を作るなら、この互換性の扱いを省略できません。
ベンチマークは参考程度に
Kimi が公開したスコアでは、K3 は frontier model の領域に入っています。一部のコーディングとナレッジワークのテストでは、より高価なクローズドモデルに迫るか、上回っています。ただし、これらの数字は主に Kimi 自身の評価によるものです。Kimi は発表記事で、K3 の総合的な体験がまだ Claude Fable 5 と GPT-5.6 Sol に及ばないことも率直に認めています。さらに 2 つの制約を自ら挙げています。K3 は thinking history に敏感であり、長時間タスクでは積極的になりすぎて、ユーザーが明示的に許可していない判断まで下す可能性があります。
API 料金
Moonshot AI による Kimi K3 の公式料金は次のとおりです。
| Token の種類 | 公式料金(1M tokens あたり) |
|---|---|
| キャッシュヒット入力 | $0.30 |
| キャッシュミス入力 | $3.00 |
| 出力(reasoning tokens を含む) | $15.00 |
キャッシュヒット時の入力価格は通常入力の 10 分の 1 で、K3 のコスト構造で最も活用したいポイントです。一方、K3 は現在常に最高の thinking effort を使うため、単純なタスクでも reasoning token が多く発生する可能性があります。安価な小型モデルをすべて置き換えるのではなく、推論、長いコンテキスト、複数ステップの実行が本当に必要な仕事に向いています。
MuiRouter で対応していること
MuiRouter の kimi-k3 は、すでに次の機能に対応しています。
- 1M token のコンテキストウィンドウ
- PNG、JPEG、WebP、GIF の画像入力
- 常時有効な max thinking
- ストリーミング出力、および思考過程と最終回答の分離表示
- カスタム tools、
tool_choice、response_format - Prompt caching、および Playground での総入力・キャッシュ入力・出力 token の表示
- OpenAI 互換の
/v1/chat/completionsインターフェース
従来の kimi-k2.6 も、より低コストな独立オプションとして残しています。K3 は難しいタスク、長いタスク、視覚タスクに向いています。深い推論が不要なら、新しいモデルだからという理由だけで無理に切り替える必要はありません。
最も簡単な呼び出し方は次のとおりです。
curl https://api.muirouter.com/v1/chat/completions \
-H "Authorization: Bearer $MUI_API_KEY" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"model": "kimi-k3",
"messages": [
{"role": "user", "content": "このプロジェクトを分析し、次の実装計画を提案してください。"}
],
"reasoning_effort": "max",
"max_completion_tokens": 16384,
"stream": true
}'
すでに OpenAI SDK を使っている場合は、Base URL を https://api.muirouter.com/v1 に向け、model を kimi-k3 に変えるだけです。画像入力も標準の image_url content part を使うので、新しいインターフェースを覚える必要はありません。
まとめ
中国発のモデルが今も進化を続け、オープンモデルが限界を押し広げているのは嬉しいことです。Kimi K3 は、3T クラスのオープンモデル、1M コンテキスト、ネイティブ Vision、長時間 agent 能力を、十分に競争力のある 1 つのモデルに初めてまとめました。近いうちに、さらに多くのプロバイダーが K3 を提供するでしょう。
もちろん、Kimi K3 が Claude Fable 5 や GPT-5.6 Sol を完全に置き換えるのは難しいと思います。総合的な体験にはまだ差があると公式も認めています。max thinking はレイテンシと出力コストを増やし、複雑な agent では思考履歴を正しく保つ必要もあります。それでも、仕事の一部を K3 に切り替える価値はあります。特にフロントエンド開発では有力です。
今すぐ MuiRouter Playground で Kimi K3 を選び、自分のコード、画像、実際のタスクで適性を判断できます。API Key は 1 つ、リクエスト形式も 1 つのままです。model 名だけ変えてください。
参考ソース
主要ソースの公開日: 2026年7月17日
次の AI の変化に備える
1つの API Key から始め、ツールや upstream の提供状況が変わってもモデルアクセスを安定させる明確な経路を持てます。